LSWのちょっとかゆいところに手が届く「まごのてblog」

静岡LSW勉強会の管理人によるコラム集

【第10回】高齢者による幼児期の語り

メンバーの皆さん

おはようございます。日曜の朝からスミマセン。

今回はプライベートな体験談で、
「LSW的に非常に興味深い出来事」
があったので忘れる前に投稿します。

昨夜、僕の長男誕生祝いで、
僕の父母、妻の父母、僕と妻、長男(3ヶ月)
の計7人で集まったんです。まぁ宴会です。

そこで、50代後半~60代のじいじばあば達が、
「何歳頃の記憶まで覚えてる?」
という話題で、ひょんな事から語り出しまして。

ちなみに断っておくと、僕は一切誘導してません(笑)

そしたら、思い出せる一番古い記憶は、
やっぱり3歳頃の印象的な出来事なんですよ。

例えば義母は、宮城県気仙沼の人で、
東日本大震災津波の前に、実は3歳時、
チリ地震による津波気仙沼で経験しているんですね。

そして、チリ地震津波警報が出た時、義母の祖母が
「わたしゃ、死んでもいいからこの家を出ない!」
と動こうとしなかったそうなんです。
でも、いざ家が浸水し始めたら、その祖母が慌てて逃げ出そうとしてて、
「なんだ、やっぱり死にたくないんじゃん」
と当時3歳の義母は思ったそうです。

60代の語りですよ。興味深いですよね。

また男性陣は3歳頃の記憶しっかり覚えてましたね。

僕の母(50代後半)は、
3歳頃の記憶は思い出せなくて、
思い出せるのは5歳で経験した新潟大地震だと。
その時は、なんだかよく分からず、
言われるがままに動いていた、と言ってました。

そして、僕の妻も6歳くらいまでしか思い出せない、
特別なことなかったし、と語る中で、

義父が「3歳頃、山形(義父の実家)に行った時
のこと覚えてないの?」と投げかけると、

妻「いろんな大人からその時の事を言われるから、
それが自分の記憶なのか、想像なのかわからない」

と。実に興味深いですよね。

エピソード記憶に自分の感情や体験が伴うと、
60代でも幼児期の事を活き活きと語れる一方で、

エピソード記憶が他人目線の物語ばかりだと、
30代でも自分の記憶なのか確信が持てない、
と言うのです。

LSWで、事実のみでなく本人の感情や体験を扱う意味って
「これだよなぁ、これ」としみじみ思いながら、

まぁ僕も聞かれるもんだから、

「通常エピソードで語れる記憶は3歳頃までだけど、
それ以前の感覚的な記憶は身体的には覚えているもんです」

なんてLSW勉強会で言うようなことを、
妻の実家で語りながら親族と酒を呑んでいる僕は、

"もはや思考や生活がLSWという病に侵されている"

なぁ、と言うお話しでした。


ではでは、休日に失礼しました。