LSWのちょっとかゆいところに手が届く「まごのてblog」

静岡LSW勉強会の管理人によるコラム集

【第37回】ラブライブと情緒的発達

メンバーの皆さま

こんばんわ。管理人です。

突然ですが「ラブライブ!サンシャイン‼︎」というアニメを皆さんご存知ですか?

最近、やたら東大生が出るTV番組が多いですが、昨夜たまたま観ていた「さんまの東大方式」という番組内で、ある東大生が会いたい有名人がこのアニメの声優さんだったんです。

まぁ、よくある萌え系アニメかと思っていたら、妻に「え!知らないの⁉︎」信じられないくらい勢いで驚かれまして。

どうやら静岡県沼津市(東部地区、伊豆の北側)に実在する中学校を舞台に、その在校生がアイドルになっていくというストーリーで、沼津市はまさに「ラブライブ」フィーバーなんですって。

ラブライブの画が描かれた市内バス目当てに、カメラを持ったオタク達が沼津駅前に列を作り、夏休みには舞台になっている中学校の校内にファンが侵入する事態になっているんだそうです、沼津市で働いていた妻によると。

よくよく調べたらラブライブ声優ユニット紅白歌合戦にも出てるみたいで、これは全国規模の人気だろうし、もれなく発達障害系でハマっていく沼津男子が続出らしいです、妻によると。

でも、同じ県内の浜松市(西部地区、愛知県の隣)で僕が児相で関わる子ども達からラブライブの「ラ」の字も聞いたことなくて、オカシイなぁ、でも150kmも離れてるし地域差ってやつかなあ、なんて思ってたんです。

すると、ある東大生が興味深い事言ってまして「思春期が3年遅れてきて、中学生の時は周りがアイドルの話しとかしてても何で興味があるのか全然わからなかったけど、受験勉強の時にやってきて大変だった」と。

また、別の色白の物静かな東大生が会いたい有名人が芸人を「くまだまさし」と言うので、みんな何で?と聞くと彼は、こう答えるのです。「くまだまさしさんは、自分の数少ない感情が動く瞬間を与えてくれる人です」「しょうもない芸を見ていると、身体の中が熱くなって楽しい幸せな気持ちになれる」と。

そうそう、これこそ虐待がない純粋な発達凸凹や感覚凸凹形成の感受性アンバランスによって、アタッチメントや情緒的発達が遅れて育つやつですよね。さすが東大生!ケースの子とは言語能力が違うな、なんて気軽に観てましたけど、これってかなり貴重な語りだなと。

番組コーナー的には、頭が良すぎて他人になかなか価値観や恋愛観をわかってもらえないことを、さんまさんが面白おかしくイジって笑いに変えてるわけですが、見るからに周囲と感覚が違いすぎて生きにくい、他人の感情が読みにくい、全員ではないですが番組的に面白おかしくなってるのは明らかに発達障害系の人たち。

ラブライブの話に戻ると、やはり僕が児童福祉で数年来お付き合いするケースの子って、即ち長期で施設入所している子になるので「発達凸凹系×対人情緒体験不足」の掛け算が多いだろうと。東大生のように言語化できませんが周囲と合わない違和感や疎外感はきっと感じているはずです。


そこにネグレクトや虐待による感情麻痺が上乗せされるわけですら、そりゃ、思春期段階では精神年齢が低すぎて「ラブライブ」=異性への興味まで追いつかないのかもな、と。

一昔前はそうばかりでもなかった気がするのですが、年々、児相で関わる子たちの精神年齢が幼くなってきているような印象を僕は持っていますし、約10年前から一緒にやっているケースワーカーもそう言っていました。

ちなみに、妻のフィールドは病院や巡回相談なので、つまり在宅ケース。同じ発達凸凹の課題を抱えていても、在宅児と施設入所児ではなんかアベレージが違うよな、と思ったりするわけです。

それも「生物×環境」の相互性だし、そんな情緒的に幼い中学生に、過酷な生い立ちを受け止めろってやっぱり酷だよな、と。施設に残ることが許されるなら、高校生くらいでようやく情緒的には3年遅れ、小学校高学年~中学生が受け止められるくらいの話を扱えたらなんて感覚で、自立支援計画をやりとり出来ることが最近は多くなってきたなぁ、なんて思います。

前段の雑談のつもりが長くなってしまったので、これで1つのコラムにします。

ちなみに散々、発達凸凹って言ってますが、このコラム書くのに没頭しすぎちゃって、気がついたら降りる駅を乗り過ごしちゃった僕も全然人のこと言えませんね。

ではでは。