LSWのちょっとかゆいところに手が届く「まごのてblog」

静岡LSW勉強会の管理人によるコラム集

【第85回】主体性を育む幼児教育とは?

メンバーの皆さま
 
こんにちは。管理人です。
 
今回は、雑感的なコラムを。
 
先日、近所の中型ショッピングモールみたいな行きつけのスーパーに買い物に行った時の話しです。
 
妻が用を済ませる少しの間、ちょっとしたキッズコーナーで息子(1歳2ヶ月)と時間潰してたんですね。
 
2×4m程しかないクッションスペースなんですけど、お昼時のせいか他には親子1組しかおらず、僕も一緒に入ってゴロゴロしてたんです。
 
「人見知り」真っ盛りの息子は、数分間フリーズしてたんですけど、慣れていつもの様子でバタバタ歩き回るようになったら、しきりに壁に向かって「あー!あー!」って指差しするんです。
 
それが、でかい「ドラえもん」の絵。たぶん2mくらいですかね。他にも、赤いドラえもんの絵が数台並んでいて「ミニドラなんて久しぶりに見たなぁ」なんて眺めていたら、
 
 
・2020年に教育が変わる
・何を知っているか(知識)+何ができるか
・思考力、判断力、表現力
・主体的に取り組む力
 
 
なんて内容のチラシが貼ってあるんですね。前回、前々回のコラムで「乳幼児期からの子供の教育支援プロジェクト」(東京都教育委員会)を扱ってますから「おや?」となるわけです
 
子育て世代の方はピンと来ていると思いますが、小学館が運営する「ドラキッズ」という幼児教室の隣にあるキッズスペースだったんですね。
 
いつもは混んでいるので「なんか幼児教室あるなぁ〜」くらいの認識だったんですけど、気になってHP調べて見たんです。
 
そうしたら「脳育」的な内容もふんだんにあって、小1プロブレムなんかにも触れられていて、丁寧に動画紹介とかもされている。しかも30年程の歴史があるらしい。
【参考】ドラキッズの特徴
 
で、さらに口コミを調べると、主に月謝8000円(週一月4回)という価格が争点になっていて、
 
●高い。一回休むともったいない。家でもできる内容。
◯他の幼児教室に比べたら安い。プロに育児の悩みを相談できる。子どもから離れる時間ができて助かる。
 
なんて賛否の意見がそれぞれある。HP閲覧時は、まぁ一回2000円なら高くないかなぁなんて正直こころが揺れたんですけど、ちょっと待てと。
(以下は、さらに管理人の主観ですので、そのつもりで)
 
・2020年に教育が変わる
 
って言うけど、小学校の指導要領が変わるから、
 
・思考力、判断力、表現力
・主体的に取り組む力
 
を育むの?
 
 
もちろんチラシには「これからは先が読めない社会になるから」とも書かれていて、確かにそれはそうなんですけど、そんな大変な世の中を生き抜くための
 
・思考力、判断力、表現力
・主体的に取り組む力
 
なの?
 
ビジネス的な理由をあることは承知してはいますが、もう少しポジティブな理由付けはないのかなぁ、と。
 
一応、誤解の無いように言いますけど、ドラキッズの理念や内容は、自分の息子にも体験させたいと思うほど、僕が大切と思うことと一致してます。
 
しかし僕が素朴に思ったのは、そのストーリーと、
「現在の日本では、月8000円の教育費を追加しないと、このような思考力・判断力・表現力・主体性を育む教育が受けられないの?」「いまの保育園・幼稚園・こども園はそうではないの?」
ということ。
 
「家でもできる内容」「自分の家であるもので工夫してやります」という口コミが本質を突いていて、まさに子育てって本来そういう事なんだと思うんです。
 
子どもとの「遊び」を通じた関わり、対人交流や五感を刺激する体験は、これまでは家庭内や地域内で、ごくごく当たり前に行われていた。
 
「遊び」とは、そもそも楽しいと思うことを主体的に取り組むものだし、その中で思考力、判断力、表現力が養われていくもの。
 
それが核家族になり、共働きになり、ご近所づき合いも減り、日常的に子どもが人と遊べる時間がどんどん減って、大人が子どもと試行錯誤する時間や経験をお金で買っている。
 
もちろん相談先のない人にとっては、1つのコミュニティとなるし、育てる側の安心感が子どもに与える安心感になりますから、それを30年前から実施している小学館は凄いですよね。
 
しかし、そんな月8000円を払って幼児教室に通う時間とお金のない家庭の子どもは…。お金がないと現代の日本システムでは、子どもが思考力、判断力、表現力、主体的に取り組む力を養うチャンスすら失ってしまうのだろうか。
 
おそらく、このようなことを公的に子ども全体にサポートしようとする仕組み作りの1つが、
「乳幼児期からの子供の教育支援プロジェクト」東京都教育委員会)なんだろうと思います。
 
子どもの貧困、教育格差とはこういう事なんですよね。児童福祉にくる子ども達の育ち生い立ちを考える上で、このような環境や機会は無視できない要因です。
 
ドラキッズの内容が真っ当なだけに、コレが有料であることに余計、切なさを感じてしまいました。
 
キッズスペースでふと見たチラシから、こんなこと考えるなんて、かなりの職業病ですね。
 
ではでは