LSWのちょっとかゆいところに手が届く「まごのてblog」

静岡LSW勉強会の管理人によるコラム集

【第123回】AI子育て支援の未来予想図

メンバーの皆さま


こんにちは。管理人です。


先週、2019年12月ぶりに、静岡LSW勉強会開催しました。 (わたし、勉強会の管理人。サイト管理はあくまでサブです)


二年半ぶりでしたが、やっぱり直接のやりとり、 対話の中での学びは、思考と理解が深まります。 自己満じゃなくて、初参加の方にもそんな感想をいただいて、 本当に良かったです。


そんなタイミングでスマホが壊れてしまって連絡取れなくなった方 、本当にすみません。しかし、 何故に二年半ぶりの勉強会前日にスマホ壊れますかね(苦笑)。


神様は試練をお与えになると言うか、 いかに自分がスマホに依存しているか思い知らされた久々の勉強会 でした。


しかも、docomoのahamo契約なので、 オンラインで新しい故障対応や新機種注文しようとすると、「 wifiを切ってログインしてください」って…

 

それが出来るなら買い替え検討しないし!

 


もちろん、電源入れ直したり、SIMカード入れ直したり、 初期化したり、 ありとあらゆる自己の事故対応の手立ては講じておりますよ。 それでもダメなのです。

 

てな感じで、完全にデジタル化の落し穴に迷い込んでます(汗)

 

 

 

 


前回コラムではGW前半に妄想した、EBPM( エビデンスに基づく政策立案と実行)的な養育情報がデジタル化、 ビッグデータ化された未来について綴りました。


今回コラムはGW後半の妄想です。
それは、パパママが身近に受ける「子育て支援」 のAI化について。[現状把握]と[未来妄想]をしてみます。

 

 


まず現状把握について。


■①赤ちゃんの泣く理由がわかるアプリ
【参考】
いくじてん「パパッと育児の泣き声診断で起こっている⁉︎ アプリの口コミや使い方」
https://194ten.com/app-baby/

 

 

赤ちゃんって泣きますね。当たり前体操ですね。


もちろん0歳1歳だと、 泣いてる理由を言葉で表すことはできないので、 親は何で赤ちゃんが泣いてるのか、 その様子から想像して汲み取って対応しますね。


普段接してるママはですね、 泣き方や雰囲気のなんとなく差異を察知して職人芸的にオッパイと か眠たいとか判別してるわけですが、 パパがたまに子育てを手伝っても何で泣いてる理由なんか全然わか んない訳です。


なので、赤ちゃん泣き出すと大の大人がオロオロして、 すぐママに助けを求める、 でママに役立たずの烙印押されるみたいな(苦笑)、 これ少子化で子育て不慣れな現代パパ育児あるあるではないでしょ うか。


こんな時にお役立ち、 赤ちゃんの泣いている理由を教えてくれるアプリが、 2018年に出てるんですね。

 


その名も『パパッと育児』。

 


赤ちゃんの泣き声をビッグデータ化して、AIが判別。


「お腹がすいた」「眠い」「不快」「怒っている」
「遊んで欲しい」


の5択について、「お腹がすいた78%、眠い22%」 みたいな感じで教えてくれると。 その的中率はなんと約8割となかなかのもの。

 


子育ての見える化を目指したアプリで、泣き声診断じゃなくて、 睡眠リズムをデータ化して寝かしつけのタイミングを教えてくれた りして、男性の育児参加を促す目的もある。


なので、「パパと育児」→『パパッと育児』だと。

 


なんとなく、これに頼るパパは、 目の前の泣いている赤ちゃんを放置して、 まずスマホ探してアプリ起動させるのを優先させるみたいな、 本末転倒な状態も予想できます。


そこは同時処理マルチタスクでがんばれみたいな、 片方で赤ちゃん抱きながら、 もう片方でスマホ持つという感じの注意書きがきっと必要ですね。

 

 


ちなみに僕の息子が2017年生まれでですね、 身長体重とか別のアプリで記録してたんですよ。


もし息子が翌年2018年に生まれていたら、 このアプリにたどり着いていたのかな〜。そうだとしたら、 子育てどうなっていたかな、なんて色々想像しました。


コレ、 アメリカのような乳児を大人と別の部屋で寝かせておく国から高い 関心があるみたいですよ。赤ちゃんが泣いた事にすぐ気づけるし、 その理由もすぐにわかるから。


動物の鳴き声解析も随分進んでいると聞いたことがありますが、 外国語通話アプリが一般普及してきたように、 今後は泣き声通訳アプリも普及してくるのかもしれませんね。

 

 


■②ひとの技術とモチベーションを上げるAI
■③盲導犬+相手の表情を読み取るAI


次は一つの記事からまとめて二つ紹介


FUTURE IS NOW オムロン株式会社に聞いた、 新しいテクノロジーとのニューノーマルな暮らし。
後篇:卓球ロボットとAIスーツケースが提案する、 人間と機械が融和する未来。
https://fin.miraiteiban.jp/ omron02/

 


二つ目は卓球ロボット。その名は「フォルフェウス」。
(名前の由来は記事を参照ください。ギリシャ語です)


卓球ロボットといっても、 ただ問答無用に球を弾き返すんじゃあないんですよ。


なんとプレイヤーの腕前を判断して、 表情と脈拍などから感情推移を読み取り、 プレイヤーにとって心地の良いラリーを続けて、 卓球技術を向上させてくれるんだそう。


しかも、この「プレイヤーのモチベーションを高めるAI」は、 あのゲーム会社『スクエアエニクス』との共同開発。


RPGロールプレイングゲーム)で一番の醍醐味である「 レベル上げ」の、 強すぎず弱すぎずの敵の強さの段階とレベル上げに必要な戦闘数の 、 ヤル気を失わせない飽きと根気の絶妙なバランスが応用されてるん ですよね、きっと。

 


実際にこんな専属コーチいたら、メキメキ上達しそう。

 


今のところの弱点は、大きすぎる壁のような外見だそうで、 ちょっと心の距離がいなめないと。


ゲゲゲの鬼太郎の「ぬりかべ」 みたいなデザインにしたらし少しは親しみが出るのか、 かえって不気味か。


まぁ、TVや携帯電話がそうであったように、 サイズ問題はいずれ解消されますよね。

 

 


最後の三つ目は、「AIスーツケース」。


これはですね、視覚障害の人がこのスーツケースを背負うことで、 目的地までのナビしてもらいながら。 すれ違う人の感情も教えてくれるという優れもの。


黄色い点字みたいな道は随分普及してきたとは言え、 視覚障害の方は曲がり角から何歩の位置か実際に数えながら自分の 位置を把握しているんですって。


なので、突如話しかけられると現在位置を見失ってしまうので、 知り合いに出会っても気軽に話しかけられなかったと。 そんなコミュニケーションの不具合を解決してくれるということで す。


素晴らしい発明ですよね。車で例えるなら、カーナビ+ 道路標識の自動認識システムみたいな感じでしょうか。


このシステムを使えば、高齢者で視覚や聴覚が衰えても、 行動範囲を制限することなく今まで通り自由に暮らすことができる ようになるだろう、とのこと。


現在のメガネや補聴器の超進化版ですかね。


そして、このAIスーツケースと、 技術の進歩によぅえサイズはどんどん縮小化していくことが想像で きます。

 


以上をまとめると、「泣き声判断」「スキルアップコーチ」「 表情読み取り」の3つは、 すでにAIによるサポートが実現しているということです。

 

 


ここからは、僕の未来予想(妄想)です。


この3要素が現段階でクリアされているなら、将来的には親子相互 交流療法(PCIT:Parent-Child Interaction Therapy)のAI化が可能なんじゃないと、 単純に思ってしまいます。


親子相互交流療法とは、プレイルームで遊んでいる親子に対して、 外にいるセラピストが親にインカムでリアルタイムで助言したり褒 めたり励まして親子関係改善を図る心理療法です。


特に、こどもに発達障害があると、 注意散漫だったり意思疎通が上手くいかなかったりで親が自信喪失 しやすいので、 関わり方のコツをその場でアドバイスできるのが良いところ。


おまけに、 児童福祉ケースは子どもだけではなく親自身が発達障害だったり不 安定愛着だったりすることが多々あります。


なので、具体的関わり方のアドバイスの前に、 親側のモチベーションや感情に合わせた内容とタイミングで投げか けたり、それ以前に親の気持ちを整理したり、 落ち着かせたりする対応の必要がよくよくあります。

 


上記の3点を進化させると、例えば「 ペアトレ眼鏡」的なものが出来て、 子どもがどんな感情なのかAIが教えてくれて、 どの辺りに視点を合わせながら(もちろん視覚的な提示)、 どのように子どもの注意を引いて、 どんな表情と声量と言葉遣いで何を伝えたらいいのか、 養育者の状態に合わせてアドバイスをくれて。


それで、養育者が親として成長を促すみたいな、 優しくアドバイスくれるお婆ちゃん的役割をAIが果たしてくれる なんてこと、出来そうじゃないですか。


また技術進化により眼鏡すらかける必要は無くなるでしょうし、A pple Watchみたく養育者の脳波や脈拍等バイオデータもリアルタイ ム把握しているので、養育者が興奮してきたら落ち着く行動を取る ように指示するとか、脳部位の活性化を判別してADHD系やAS D系に合わせたアドバイス、視線をどっちに向けて、 呼吸をどうして、意識を何に集中して等々、 活動不足な脳部位をストレッチするようにほぐして徐々に扱えるよ うにしていくみたいなことだって、可能になるんじゃないかと思い ます。

 

もっといくと「こころのエアコン」的な、 不安感高まってきたからセロトニン補給とか、 モチベーション下がってきたのでドーパミン投入みたいな、 AIが脳内ホルモンを自動調整なんてこともありえますよね。すで に、 鬱病患者に対してADがこんな感じのことを行い不安感が低下した という研究もあるみたいですし。


子ども臨床で「イライラの温度計」という気持ちを0〜 10に数値化して、身体的、 感情的変化への気づきを促すという手法って割と使われますが、 これをAIが脳波レベルで行ってくれる感じですかね。


さらに、今の技術で、ドローンが脳波信号を察知して、 念じるだけで動いてくれるやつ、 コントローラー必要なしってやつありますよね。


そうなってくると「オートマチック/マニュアル」の境目は、 手動するしないから、AI判断か人間判断か、 勝手に自動調整してくれるか人間が考えて念じるか、 という風に変化していくのも、 そう遠くない未来のような気がします。

 

 

 


ここまで来ると、もはや人間が人間なのか、AI に取って代わられるんじゃないか、 みたいに不安に思う人もいると思います。

 


そうじゃないですよ、と未来予想図を描いているのが、 2つ目の記事で紹介したOMRON(オムロン)株式会社です。


〉「テクノロジーによって人は成長しますが、成長した人がテクノ ロジーを失ったら、むしろ人の能力がマイナスになってしまいます 。例えば、車に乗って遠出をすることができますが、 車があることで、運動不足になってしまう。5年先の未来は、その 問題点を解消して、機械によって人が成長したり健康になったりす る世界を実現したいと思っています。また、 制御技術やセンシング技術が、高齢者が使う杖や車椅子など、 身近なものに実装されて、より健康で豊かな人生を送ることができ る。そんな商品を開発したいと思っていますね」。(古賀氏)

 


と言うように、OMRONは、 機械が人間機能の代替をする時代から、 機械と人間が協働する時代、 そして機械が人間と融和して人間を成長させる時代が来ると、 いうことをなんと1970年に「SINIC理論」 として発表して研究開発を続けている会社です。

 

今から50年前に、 2020年のAIやスマホが普及している社会を予測し、 さらに2030年、 2040年以降の社会と機械のあり方を予想しています。

 


先見の明がありすぎて、ヤバイというかもはやちょっと怖さや不気 味さすら感じます。 今後もSINIC理論の未来予想図は実現しそうですし、 実現のためにOMRONは研究開発を続けるんでしょうね。


SINIC理論に興味を持った方は、OMRON紹介記事の「 前篇」やOMRON株式会社HP、 youtubeの解説動画を参照ください。

 


なかなか面白いです。

 

 


空想妄想はここまで。

 

 


まぁ現実にも、マイナンバーに付随する個人情報がマイナポータルに集約されたことで、例えば、コンビニで住民票が取れたり、身体・精神障害者割引がスマホ決済に自動的に反映できたりと、民間サービスと行政サービスがデジタル化でリンクしつつありますよね。

 

児童手当とか、そういう手当関係の書類もマイナンバー連携してによって、どんどんペーパーレス化する時代が、もうすぐそこにあります。


こんなことをDX(Digital Transformation:デジタル・トランスフォーメーション)「デジタル技術による変革」と言うみたいで、夢が膨らむ一方、AIとかDXとか何の略だかよく分からなくなってきます。


そして、手元のスマホが壊れたことで全ての生活に支障をきたし右往左往している自分がいたものも現実。


ようやく新スマホにありつけコラム更新に至っているわけですが、妄想的にデジタル化の光の部分を考え、現実的にデジタル化の影の部分を体験した、そんなGWからの現在までの時間でした。


たぶん、おそらく、いつまでも人間と機械のハイブリット時代が続くのではないか、時代によって形は変われどもお互いにうまく共生できる未来になるといいな、とそんな風に思います。


それって、児童福祉における「親子関係」と似てるかもなぁ、なんて思ったりもしますね。

 


長くなりました。

 

 


ではでは。