LSWのちょっとかゆいところに手が届く「まごのてblog」

静岡LSW勉強会の管理人によるコラム集

【第132回】(中編)世代論とチームビルディング〜新しい景色を見せる日本代表〜

こんにちは。管理人です。

 


前回コラムは完全にサッカーコラムでしたね(苦笑)

 


まぁ、ホットな話題なので勘弁して下さい。森保ジャパンばりに伏線回収して対人援助やLSWに繋がるよう頑張りますので。

 

 

 

まず世代論について。

 


前回紹介した小澤一郎さんチャンネルでも、

「指示されるのを嫌がるZ世代の選手達に、"監督何か指示して下さい"と言わせるまで我慢した森保監督がスゴイ!」

と言う話題がありました。

 


『Z世代』

 


最近たびたび言われるコノ言葉、皆さんご存じでしょうか?

 


語源等の細かい話しは↓の記事などを参照いただきたいのですが、

 


Z世代の特徴は?他世代との違いや仕事観なども紹介 | リクナビNEXTジャーナル(2022.6.23)

https://next.rikunabi.com/journal/20220630_t01_s/

 


簡単に言うと、Z世代とは、現在の10代〜20代半ば (1990年中盤〜2010年頃に生まれ)の世代を指す言葉です。彼らは「デジタルネイティブ」と呼ばれ、生まれた時からインターネットが当たり前の環境で生まれ育っている世代。

 


Y世代はその一つ前の世代。現在の20代後半〜40前後(1980年頃〜1990年中盤生まれ)の世代のことで、家庭用ゲーム機やポケペル、携帯電話、インターネットが世間に徐々に浸透していった時代に生まれ育った世代。

 


そんな感じで、デジタル普及の時代変化に合わせてX世代→Y世代→Z世代→α世代という区切り方と世代特徴が言われています。

 


例えば、子どもの遊び方で言うと、X世代の1960年〜70年代の子ども同士の遊びって外遊びメインだったと思うんです。それがY世代になると1984ファミコン発売から1994年プレステ発売等の家庭用ゲーム機の普及によって友達の家に集まってTVの前でゲームをする遊び方が浸透していきます。

 


Z世代になると、1999年docomoiモードが開始、2004年任天堂DS発売と、自宅外でのインターネット接続やゲーム機遊びが爆発的に普及。当時の小学生はだいたい公園に集まって友達とポケモンやってましたもんね。

 


そして、α世代は現在の0〜12歳前後まで、2010年以降生まれのSNS普及後に生まれ育った世代。連絡手段はLINEが当たり前、若い20代前半の親だと対面よりもインスタやTikTokのストーリーやダイレクトメッセージでコミュニケーションを取り合う、そんなZ世代に育てられているのがα世代の子どもたち。

 


これだけでも、人との距離感やコミュニケーションのあり方を取り巻く環境が、世代によって随分と差があることがわかります。そりゃ世代間の価値観の相違が生まれない訳がないですよね。

 


Z世代の話しに戻ると、SNSが当たり前なので受信するだけでなく発信することにも興味があるし、多様な情報と選択肢がある中で育ってきているので、「自分の時間を大切に」「自分で選んでいる感覚」をとても大切にする世代と言われます。働き方の選択(リモートなど)や仕事へのモチベーションなんか、まさにそれを象徴しているかもしれません。

 

 

 

話題をぐっとサッカーに戻すと、サッカー日本代表の選手って、20代前半から半ばの「Z世代」が中心で、ベテランと呼ばれる20代後半から30代の選手は「Y世代」。そして森保監督をはじめとしたコーチ陣は、1960年代〜70年代生まれの「X世代」。

 


一般的な日本の会社組織だと、大多数はおじさんおばさん、そして組織決定権はX世代もしくはもっと年上という事が握っている事が多いですね。

 


しかしW杯の場合、実際に試合の中心を担うのはZ世代、それをピッチ上でY世代が支え、ピッチ外からX世代が支える。そんなチーム構成になってますね。

 


で、森保監督が取ったマネージメント方法は…自分たちで話し合って納得した戦術で戦う。

 


ちょっと鳥肌ものですよね。

 

 

 

そこで、児童福祉や社会的養護の現場を考えてみて下さい。

 


里親や施設での生活を検討する子どもは、0歳から10代前半の「α世代」。

 


社会的養護を検討する子どもの親は、若年出産だであったり、精神的に未成熟な20代の「Z世代」が中心。

 


そして、地域小規模が進む「施設」のケアワーカーの多くも、また20代の「Z世代」。

 


このように児童福祉分野は他業種に比べて、圧倒的にストーリーの中心人物が若いんです。サッカー日本代表のように。

 


しかも複雑なことに、国が委託推進する「里親」の多くは、40代以降のY世代を通り越した「X世代」という日本の現実。

 


この人生観というか子育て観のジャネレーションギャップは、世間があまり気づいてないだけで相当混乱をきたしてます。里親支援の現場において。

 

 

 

そういう肌感覚をここ数年感じていた中での、森保ジャパン快進撃で上がったテンションからの、組織マネージメントストーリーですから、本当驚き以外のなにものでもないですよ。

 


児童福祉現場における、新世代に合わせた新しい組織マネージメント、これから目指すべき「新しい景色」をサッカー日本代表が、W杯という4年に一度の舞台で見せてくれてるんですから。

 


もしかすると、デジタル化のネガティブな側面ばかりを触れてしまったかもしれませんが、日本代表のそんな組織の裏話し的なことがリアルタイムで共有されるのもSNS普及のおかけですよね。

 


また吉田選手や長友選手はチームカメラを入れてYouTubeでサポーターと共有するように、日本サッカー協会と随分と交渉をしたという話しもあります。

 


ストーリーの共有の仕方が、今までとは確実に変わってきている。これは、対人援助的にもLSW的にも非常に考えさせられることですよね。

 

 

 

そんなこんなで、チームビルディング的な内容はまだまだあるのですが、だいぶ長くなったので、一旦ここで切ります。

 

 

 

続きは後編で。

 

 

 

ではでは。