【第111回】日本の強み「心理・福祉の協働」
連日の投稿すみません。
(自分のブログなんだから謝る事無いんですけど)
久しぶりのブログアップで、文字サイズの調整が上手くいきません。この2年のブランク中に、僕の使用してるiphone6+では「はてなblogアプリ」が使用不可になっていまして。
最新のOS13.0以降じゃないと、ダメなんですって。
マイナンバーアプリでも同じこと言われたし…
こうやって、新しいスマホを買わせる手法なんですよけ、きっと。
ということで、文字サイズが見にくかったらスミマセン。
本題です。
今回紹介する新図書はこれ。
虐待を受けた子どものアセスメントとケア
:心理・福祉領域からの支援と協働
【目次】
はじめに
第Ⅰ部 アセスメント編
第1章 虐待を受けた子どもの包括的アセスメント概説――心理的アセスメントを中心に
第2章 虐待を受けた子どもの心理的アセスメントにおける臨床的課題
第3章 施設でのアセスメント概説
第4章 心理療法のためのアセスメント
第5章 親子関係再構築のためのアセスメント
第Ⅱ部 ケア編
第6章 施設や里親のもとで暮らす子どものアタッチメント
第7章 施設での心理療法概説
第8章 心理療法の事例
児童養護施設入所中/退所後の事例
第9章 ライフストーリーワーク概説
第10章 ライフストーリーワークを実施した事例
第11章 家族再統合の支援概説
第12章 親子関係再構築の事例
おわりに――対人援助職のこころの健康とそこに寄与する訓練
【コメント】
このブログは、LSWのちょっとかゆいところに手がとどく「まごのてblog」ですから、もちろん第9章、第10章は省略です(笑)
何かしらのLSW研修に参加したことある方にとっては、9章の才村さん、10章の新籾さんはお馴染みですよね。内容も概ね"いつもの"です。直接お話し聞いたことない方は是非本でお確かめを。
そう、この本は、LSW研修を受けたことがないような新しい支援者層にLSWの重要性を訴えかける本なんです。そこが注目ポイントなんです。
なので、blog名のとおり、本編内容ではなく、端っこの『はじめに』『おわりに』について触れていきます。
そこで、編著者のひとり鵜飼氏はこう述べています。
〉私が英国で、子ども・思春期保健サービスの臨床訓練生として心理療法の仕事に携わっていたころ、よく同僚から指摘されていたのは、日本の児童相談所では心理専門職と社会福祉専門職が同じオフィスの中で協働をしていることの利点でした。
〉英国では心理専門職はもっぱら精神保健サービスに、社会専門職はもっぱらソーシャルワークサービスに所属しており、同じ管轄地域の担当であっても、ケースについての情報共有がうまくできていないことが多々見られたからです。
〉そうした関係機関間の連携のまずさから、不幸にも幼い子どもが命を落とすケースも少なくなく、そのたびに、こうした機関間の連携の必要性が強調されてきました。
〉また、縦割りの解消を目的に、保健医療・福祉・教育という子どもに関わる三つの部門を統合し、「子どもサービス」が立ち上げられました。ただ、そのような動きがあるなかでも、精神保健サービスに社会福祉職が、ソーシャルサービスに心理専門職が配置されるということには、たどり着かない現状のようです。
このイギリスで働いたことがある著者が、イギリス現場の人から聞いた『日本の強み』について紹介してくれている本って、僕は初めてみました。
だいたい「日本は欧米と比べて遅れている」「海外の最新の手法はこうだ」といった日本のダメ出しみたいな論調の本って結構多いんですよ。
一部の記事や海外と交流がある先輩などから、この日本の特殊性の話しは聞いていましたが、海外の人が日本のことを評価してくれている、日本のシステムを羨ましがっている、という伝え方はあまり無かったのではないでしょうか。
あと話しは逸れるかもですが、菅元総理が打ち上げた「子ども庁」って、英国の「子どもサービス」となんだか似てるなぁと。
(内容は全然確認してないんで、あくまで印象で)
ただ現在の日本児童福祉の現場レベルでは、自治体によって差こそあれ、すでに現職教員、現職警官が児童相談所に人事交流として配置され、機関間連携のつなぎ役として活躍してくれていますよね。
これって実は、国際的にチョー画期的な連携体制の可能性ありますよね?
気がつけば、このブログNo. 1リピート記事になっている
↓
【第49回】セラピストとカウンセラーの違い
https://lswshizuoka.hatenadiary.jp/entry/2017/11/23/103425
でも紹介しましたが、国によっては専門職の職域がきちっと決められていて場合によっては業務独占、他職種が他職種の仕事をやることは法律違反なんてこともあります。
かたや日本は、曖昧あいまい、資格や業務分担はあるけど、まぁ最終的には出来る人がやればいいでしょ的な文化ですよね。児童福祉に限らず。
そのデメリットも当然あるんですけど、隣の芝は青く見えると言いますか、イギリス人からみると、日本に協働システムはすごいよね、ということになる、という話しなのかな、と。
もっともっと日本の現場で頑張っている支援者の方々に、是非広がってほしい内容だなと思いますし、それが出版された意義、世間一般に対してもアピールしていいことではないかなと思いました。
とりあえず、今回はこのへんで。
ではでは。