【第100回】世界一のパンコントマテ
メンバーの皆さま
あけましておめでとうございます。管理人です。 今年もよろしくお願いします。
記念すべき100回目がこんな脱線話しでいいのかと思いつつも「やはり、書きたいことを書く!」ということで、 2019年はじめのコラムはこれ。
放送を観た方なら思わず食べたくなったのではないでしょうか「 パンコントマテ」。
英語で言えば「パン・with・トマト」。
で、番組内容はというと、食雑誌「dancyu」 編集長の植野広生氏(自称、食いしん坊)が、 バルセロナのレストランを紹介しながら、 最後は植野氏が10年追い求めた念願の「 世界一のパンコントマテ」を食すというもの。
美味しそうなのはもちろんなんですけど、とにかく「 放送中の植野氏の言葉が名言すぎ」でして、 その食に対する姿勢や言葉は、 LSWや臨床に通じるものがあるなぁ、と思ったんですよね。
そんないくつも出た名言の中でも一番はコレ。
「刹那的爆発ではなく、普遍的な味わい」
植野氏いわく「パンコントマテはスペイン人にとって、 日本人の味噌汁のようなもの」。 シンプルゆえにお店によって千差万別だとか。
そんな数々のパンコントマテを食べ尽くした植野氏がレストラン「 La Venta」を訪れ、「世界一のパンコントマテ」 を食べた時の言葉。
〜刹那的爆発ではなく、普遍的な味わい。
〜一口でぶっ飛ぶような料理じゃないけど、 食べ続けることができてじわじわ美味しくなってくる。世界一がこ こに行きつくのは納得。感動しかない。
「シンプルイズベスト」とは言いますが、 ただシンプルしか知らなければ、それはただの単純。 そうではなくて、色々知った上で無駄なものを削ぎ落とし、 必要なものだけをシンプルに残したものって理屈抜きの美しさがあ りますよね。
福祉のような「日々の生活を支える」仕事で目指すところは、 こういうところな気がします。 決してやっていることは特別な事ではない。しかし、 その何気ない表情や何気ない一声が、じわじわ染みる、 こころに伝わる。
こころをホッとさせてくれて、元気になれる。それでいて、 厚かましくなく飽きもこない。
刹那的に爆発的に楽しいわけではないが、世代を超えて普遍的に人が求めるあたたかさ。「家庭的」 や「ふるさと」と呼ばれるものって、 僕の中ではこんなイメージです。
児童福祉、特に社会的養護に関わるような子どもには、 そんな関わり、 そんな体験の場を提供したりコーディネートしていくことが仕事な んだろうと最近思います。
と、しみじみ植野氏の言葉が染みました。
また面白かったのは、
バルセロナは日本と「食」への向き合い方が同じ
という話し。季節感を大事にしていて「 旬のものを美味しく食べる」精神を大事にしていると。
また、 調理前の魚に切れ目を入れる包丁技術は元々スペインにない日本の 食文化を取り入れたものだし、出汁を取る「椎茸」が「 shiitake」 そのままの名前で普通にバルセロナの市場に並ぶようになっている、と。
面白いですね。思わず「へぇー」と心の中でボタン押しちゃいました。
「旬」 のものを扱うタイミングを逃さない感覚って対人援助でも非常に大 切ですし、自分たちが大事にするものがありながら、 他文化の良いものを積極的に取り入れる柔軟性な姿勢は、僕も忘れずに追 い続けたいなと思いましたね。
最後にもう一つ。「食いしん坊」 という言葉を世界に広めたいという植野氏が行った言葉を。
「食べ物にA級もB級もない」
300円の立ち食いそばも3万円のフレンチも同じように「 目の前の料理をどう美味しく食べられるか」を楽しめる人が" 食いしん坊"だと思っているし、そうなりたいと。
食べることがホントに好きなことが伝わってくるセリフですよね。 好きこそ物の上手なれです。
僕もある人から「LSWマニア」と言われた事がありますが、 人に関わる事が好きだから対人援助の仕事を続けられている所はあ るし、「人をつなげる、つながる」ことが好きで、 それがLSW勉強会やblogの原動力に結局はなっているなと思います 。
そんな仕事をさせてもらっているからには「 目の前の相談者や仲間に対して、どう自分が役に立てるか」 を真摯に考える姿勢は忘れちゃいけないなと感じたので、 2019年の書き初め的blogとさせていただきました。
今年も一年よろしくお願いします。
ではでは。